患者さまのQOL向上のために、探求と挑戦の日々 現在は大学での研究が週3日、県内外の病院での診療応援が週2日というスケジュールで勤務しています。 実験で何か新しいことをする時、最初は試薬を無駄にしないように念入りに確認しながら進めます。ある程度経験を積んだら、今度は時間を無駄にしないように複数の実験やタスクを組み合わせて進めていきます。研究と臨床を両立する先生方は、両者を別物と考えず、それぞれで得た知識や経験の相乗効果で疾患のより深い理解や病態解明、研究課題の発案や患者さまの治療に活かされています。 まだまだ道のりは遠いですが、日進月歩の実験技術で自分のプランを組み立て、いつか臨床現場の役に立つような研究をすることが目標です。そして、患者さんのQOL向上が日常の診療で実感できることを夢見ています。 松田 真由子(2014年入局/客員研究員) 入局の決め手となったこと 結婚を機に岡山へ。地元を離れるのは不安でしたが、研修先の皮膚科の先生から掛けられた「岡山大学はとても臨床力の高い医局だと思う」という言葉に背中を押されました。医局見学の際、病棟で顔面に複数箇所ある緻密で複雑な皮弁の術後を見たときに、ここの医局に入れてもらおうと決めました。 入局して良かったこと 皮膚科の魅力は、内科的な側面と外科的な側面を併せ持つこと。皮膚に現れた症状を手掛かりに原因を探るので、知識と観察力に加えて手術のスキルも必要だと感じています。治療効果が目に見えて分かるので、患者さまに喜んでいただける場面が多いですし、私たちも成果が実感できることにやりがいを感じています。 研究について 長年大学病院や関連病院で臨床医として勤務していましたが、家族の転勤に伴い他大学の医局へ属する機会があり、そこで研究に携わるチャンスに恵まれました。 現在は乾癬・アトピーグループで、転写因子に注目した乾癬の新たな治療法の確立を目指した研究を行っています。帰局直後は新たな研究で慣れないこともありましたが、前の医局でも行っていた乾癬のテーマを与えてもらったことや、周囲のサポートにより軌道に乗ることができました。 他にも皮膚悪性腫瘍の融合遺伝子解析も担当しており、より良い検査法の設立を目標にしています。いつもあらゆる面で気遣ってくれる指導医が、モチベーションが上がるようなマイルストーンを次々と設定してくれるだけでなく、幅広い知見に裏打ちされた的確なアドバイスも与えてくれるので、視野が広がり研究の面白さを感じています。 岡山大学には岡大バイオバンクや共同実験室、ゲノム医療総合推進センターなど、研究をバックアップしてくれる強力な組織が院内に。先端技術が身近にあるので色々なチャレンジができます。 1日の流れ 8:30 【出勤】 実験のスタートが遅くなると結果が出るスピードに影響するので、とにかく朝真っ先に実験をスタートさせます。 10:00 【実験】 実験の進捗を随時メールで報告。とは言え、対面でのディスカッションが必要になることも。森実教授は先を読んだ広い視野で助言をくれるので、方向性や要不要がクリアになります。 12:00 【昼食】 実験が立て込んできている時は、隙間をぬってストップウォッチ片手に手早く済ませます。 12:30 【実験】 午後も実験の続き。16時頃には終了し、結果の解析と考察に入ります。次の実験の準備や予定を立てます。 17:00 【退勤】 大抵は17時頃退勤するので、子供のお迎えなど日常の家事タスクがこなせるほか、子供と過ごす時間もとることができます。その日のできごとについて会話したり、宿題や楽器の練習を見たりして成長を楽しんでいます。 入局を考えている方へのメッセージ 開業医でも勤務医でも、皮膚科医はあらゆる病院で必要とされるため、将来の選択肢は広く、専門科として長く勤めることができます。さまざまな症例に触れ、経験を積むほどに興味が増し、飽きることはありません。 また、当局の大きな魅力として、大学病院はもとより関連病院にも、知識や人間力に秀でた素晴らしい指導医がたくさんおられ、地方会や全国学会発表も活発です。岡山大学は、ダイバーシティ推進本部や大学病院のMUSCATプロジェクトなど、男女問わずライフイベントに合わせたさまざまな種類のキャリア支援が用意されており、私も事あるごとに助けてもらいました。他県・他大学出身かつ途中で他の医局に属する経歴であっても、医師としてキャリアを伸ばそうとしてくれる懐の深い医局ですので、どうぞ安心して入局してください。