森田 安理

研究者と皮膚科医。二足のわらじだからこそできることを

皮膚科医として5年のキャリアがあり、外来診療をしながら大学院にて研究をしています。
週3日の診療と週1日の処置以外の時間を研究に充てています。多い時には50人前後の患者さまを診察することもあり、大学院生になってからも診療スキルの維持につながっています。新しく入局した先生から診療についての質問を受けることもしばしば。自身の理解が十分な点と曖昧な点が明確になるので、ともに成長できる機会と考えています。
当科は悪性皮膚腫瘍の症例も多く、一部の患者さまは終末期医療が必要になります。病気への向き合い方、積極的治療をどこまで臨むか、どこで最期を過ごしたいかなど、患者さまとの相談を要することも。最期まで「その人らしく生きること」を支えたいという思いを胸に、皮膚科の枠を超えて診療に当たることの重要性を感じています。

森田 安理(専攻医・大学院生/2018年入局)

入局の決め手となったこと

初期研修2年目の時、一日見学をさせていただく機会がありました。教授回診やカンファレンスの活気あふれる雰囲気に惹かれ、入局を決めました。
学年が近い先生方の診療スキルが高かったことにも刺激を受け、私もここで皮膚科医として成長したいと考えるようになりました。

入局して良かったこと

地域の中核的医療機関である岡山大学病院。皮膚科でもハイレベルな診療を行っていて、上級医にも相談しやすいので、安心して質の高い研修を積める教育体制が整っていると感じます。多種多様な症例が集まっていて、教科書の隅にしか載っていないような希少疾患も実際に経験することができるのは、当局ならではの魅力だと思います。

研究について

皮膚科医5年目で、大学院生として研究生活を始めました。
乾癬・アトピーグループで細胞培養やELISAなどを用いた実験を行い、角質細胞から放出される分子と乾癬の病態との関連について研究しています。今後は、並行して非侵襲的なテープストリッピング法により、アトピー性皮膚炎における角質細胞の関連分子についても研究を行う予定です。
皮膚科医として、実際の診療現場で乾癬やアトピー性皮膚炎の患者さまの診療を行ってき経験から、分子的病態機序の解明から生物学的製剤への応用まで、研究と臨床が密接につながっていることを実感しており、このタイミングで研究をスタートできたことにメリットを感じています。
まだ解明されていない分子機構の解明に携わることの意義を理解しながら、研究を続けていきたいです。

1日の流れ

8:45 【出勤】 子どもを幼稚園に送った後、出勤します。
9:00 【外来処置】 外来処置室での処置のほか、皮膚生検や皮膚アレルギー検査、光線治療といった検査処置を行います。医局生の指導を行うことも。
14:00 【昼食】 午前診療の片付けを済ませたらようやくランチタイム。
15:00 【研究ミーティング】 教授に実験の進捗を報告。実験結果について議論し、翌週の予定を立てます。
17:00 【退勤】 業務は定時で終了。ワーキングマザーにも優しい労働環境です。

入局を考えている方へのメッセージ

岡山大学皮膚科は若手の先生が多く、互いに切磋琢磨しながら研修を行っています。
症例数は中四国有数なので、たくさん経験を積んで今後の皮膚科医人生を充実させたいと考えている先生にも、ぜひ来ていただきたいです。
教授を含めた上級医にも、垣根なく相談できるのが当局の魅力。一度見学に来ていただければ、そのアットホームな雰囲気を感じてもらえると思います。
優秀な先輩方を数多く輩出している、伝統ある岡山大学皮膚科の一員として、いっしょに診療、研究できることを楽しみにしています。