浦上 仁志

臨床と研究の両立がかなうのは皮膚科ならでは

私は当学大学院で基礎研究に従事しつつ、国立養成所長島愛生園の皮膚科医として勤務しています。患者さまの治療に携わりながら、未知のフィールドを探求することができるのは、医師としても研究者としても魅力的な環境です。
「皮膚は全身を映す鏡」と言われており、皮膚科は皮膚に現れた症状を手掛かりに、内臓をはじめとするあらゆる病気の可能性を探る診療科。知識だけに頼らず、患者さまの様子をしっかり観察し、訴えに耳を傾けることを心掛けています。適切な診断と治療により、患者さまに喜んでもらえた時の達成感はひとしお。より多くの患者さまの笑顔が見られるよう腕を磨いていきたいです。

浦上 仁志(2019年入局/専攻医)

入局の決め手となったこと

私自身もアトピー性皮膚炎を患っていたことから、かねてより皮膚科に対して関心がありました。症状の辛さや不安な気持ちなど、自身の患者としての経験も生かせるのではと思い、入局を希望しました。
一方、岡山大学皮膚科は入院症例や手術実績が多く、医師として広い知識と多彩な手技を身に着けることができると考えたことも入局理由のひとつです。

入局して良かったこと

経験豊富な上級医がたくさん居られます。気さくで親切な先生ばかりなので、難症例の治療方針や手術デザインなどの相談にも丁寧に応じてくださいます。同期だけでなく上級医とも気軽に話し合え、皮膚科医としての能力を伸ばすことに専念できる環境が整っていることは、非常に良い点だと実感しています。

研究について

私の研究テーマは「精神的ストレスがアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を増悪させるメカニズムの解明」。医師も患者さま自身もストレスと疾患の関連を実感することがしばしばありますが、その機序については未だ不明な点が多いのが現状。細胞や分子のレベルでその仕組みを解明することを研究しています。
実験系の確立と結果の再現性が確保できるまではトライ&エラーの繰り返し。見立て違いや失敗が続いている時は大変に感じることもありますが、将来自分を含めたアレルギー疾患患者の新しい治療法につながるかもしれないという思いが私の原動力となっています。

1日の流れ

  • 勤務日
8:45 【出勤】 今日のカルテをチェックして診療の準備をします。
9:00 【外来診療】 湿疹や外傷など、さまざまな症状の患者さまを診療します。
12:00 【昼食】 院内の売店や学食で手早く済ませます。
13:00 【処置・病棟回診】 病棟の患者さまの様子を確認。日帰り~1泊入院の局麻手術がある日も。
17:15 【退勤】 研究をする院生に配慮して、定時退勤を基本としています。
  • 研究日
8:45 【出勤】 出勤したらすぐに培養細胞やマウスの状態を確認します。
9:00 【培養細胞やマウスの管理】 クリーンベンチでの細胞培養、動物実験室のマウスへの薬剤投与など。
12:00 【昼食】 研究時間を確保したいので、ランチは学内で簡単に。
13:00 【実験・ディスカッション】 実験が行き詰まると研究チームの担当教授に相談します。思いもよらぬアイデアに助けられことも数知れず。
17:15~深夜 【退勤】 内容によっては実験が深夜に及ぶことも。担当教授の差し入れで、もうひとがんばり!

入局を考えている方へのメッセージ

内科・外科・病理にいたるまで、皮膚症状からあらゆる病気の可能性を考察する幅広い洞察力が要求されるのが皮膚科の難しさであり最大の魅力。
岡山大学皮膚科は症例が豊富で、上級医の指導は明解かつ丁寧。皮膚科医としての研鑽を積み、腕を磨くにはこの上ない環境です。
傷やできもの、かゆみといった皮膚の悩みは、誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか?経験があるのは患者さまの訴えに共感できるということ。患者さまの気持ちになって治療したいという志をもった方!私たちと一緒に邁進しましょう。