多角的な診療ができる皮膚科医を目指して 入局2年目。おもな仕事は入院患者さまの診療、大学病院で外来診療の補助業務、関連病院での外来診療です。入局当初から外勤や入院患者さまの往診など、自分主体で診療にあたる機会を与えてもらえるので、一人でできることがどんどん増えていき、充実した日々を送っています。 皮膚は全身疾患の鑑と言われています。皮膚科は、皮膚に現れた症状を治すだけでなく、背後に隠された病気の原因を探る診療科。内科の知識のほか、病理や手術のスキルも必要とされています。私はまだ経験が浅いので、今は一つひとつの症例と真摯に向き合い、経験を積むことを大切にしています。ガイドラインや教科書通りの診断・治療ができるようになってきたら、病態からアプローチし工夫した治療も考えられるようになっていきたいです。 坂田 伽奈子(専攻医・2023年入局) 入局の決め手となったこと 学生時代にニキビがひどく、外出を控えるほど悩んでいたことから、かねてより皮膚科に関心がありました。初期研修で回った際、皮膚科で勉強したいという思いが強くなり、皮膚科医の道に進むことを決めました。見学で大規模な医局ならではの症例の豊富さを目の当たりにしたことも入局の大きな理由です。 入局して良かったこと 見学の際に感じたことでもありますが、上級医の手厚い指導のもと、若手医師が自由に意見を伝えて診療に当たることができる理想的な環境だと感じています。優しい先生方に囲まれて、のびのびとスキルが磨けています。 1日の流れ 8:30 【出勤・朝回診】 まずは入院患者さまの夜間の経過やその日の予定をカルテで確認。主治医と若手医師5~6人で構成される病棟チームで回診します。 9:00 【外来】 外来業務は当番制。日によって下記のいずれかが割り振られます。 外来患者さまの処置 外来処置室での皮膚生検や外用処置、光線治療などの処置。複数の医師で担当するため、上級医から手技の指導が受けられます。 シュライバー 検査のオーダーや臨床写真撮影などの補助業務。上級医の診療が間近で見られ、疑問に思ったこともすぐに質問できるためとても勉強になります。見学の学生への解説を聞いていると、自身の理解が曖昧な点が明確になることも。合間に悩んでいる症例なども相談しています。 往診 薬疹や膠原病、点滴漏れ、GVHDなど他科からコンサルトされた入院患者さまを診察します。専門性の高い科として主科の役に立てるように丁寧な診療を心掛けています。 12:00 【昼食】 同僚や上級医と話しながらランチタイム。先日は学会に行かれた先生からのおみやげで高級マンゴーをみんなでいただきました。 13:00 【カンファレンス・総回診、午後回診、処置】 週1回、全員で治療方針を検討するカンファレンスがあります。午後は入院患者さまの処置を行います。 16:00 【病理カンファレンス】 週1回、前週に生検や手術を行った組織標本を全員で確認します。病理組織をたくさん見ることでパターンや解釈が学べます。 18:00 【退勤】 基本的に定時で業務が終了することが多いです。早めに帰宅して家族との時間を過ごします。 入局を考えている方へのメッセージ 相談しやすい雰囲気と手厚い指導が当科の魅力。上級医の方から声を掛けてくれることも多く、私はまだ入局して2年目ですが安心して働けています。 また、大学病院は全ての診療科がそろっているので、他科と連携した診療を行っています。例えば循環器内科には虚血肢の治療でお世話になることが多く、カンファレンスにも参加させていただき方針の相談をしています。 皮膚科は多方面に極める道があるため、現在どの科に興味がある方でもおすすめできます。内科に興味があるけど手を動かすこともしたい方、若手のうちから執刀をしたい方、病理組織をじっくり読みたい方、アレルギーや膠原病疾患に興味がある方など、ぜひ一度見学に来ていただけたらと思います。